あらゆるものを消す不思議な力にまつわるSFミステリーマンガ、七夕の国

「寄生獣」という大ヒット作品。気に入った作品があると

その作者の別作品も読みたくなります。

作者である岩明均氏が次に描いたのが「七夕の国」。

不思議な超能力(あらゆるものを消す能力)を身に付けた主人公が

その力の意味、由来、使い道について苦悶しながら

謎が解き明かされていくSFミステリー作品です。

あらすじ

出版社:小学館   作者:岩明均

大学四年生になる南丸洋二は大学で新技能開拓研究会サークルの部長を努めています。

というのも南丸には超能力があり、紙yプラスチック製のものに印を付けて

集中して気合を入れると穴を開ける事ができるというものです。

殆ど役に立たないんですが、その能力を餌に喋ったり飲んだりして過ごすのが

主なサークル活動でした。

ある日、歴史・民俗学を教える丸神教授から呼び出されて行ってみると

丸神教授が行方不明になっており、南丸と丸神教授は黒嶺群丸川町という

地方で共通の先祖がいる事も分かったため、丸神ゼミの仲間とともに

その先祖がいたという街へ教授を探しに行きます。

そこでは丸神教授のことを隠している様子で町全体の雰囲気が怪しく、

南丸の超能力のことも知っていて殿様扱いする等、町にとって超能力が

重要な力であることが分かります。

その町で知り合った喫茶店の店員、東丸幸子によると街には2つの素質が

あり、一つは「手がとどく者」もう一つは「窓をひらいた者」です。

超能力は「手がとどく者」のことで、さらに「窓をひらいた」者が

神官になる資格があるという。

「窓」とは何なのか、南丸は「窓」をひらくことができるのか、

丸神教授はどうなったのか。徐々に明らかになっていきます。

登場人物

第一巻より

南丸 洋二(みなみまる ようじ)

この作品の主人公です。元々は紙やコップに印を付けて、「」ちょわあ〜」と叫ぶことで

小さな穴を開ける程度の超能力でした。

徐々に使い方を覚えていくうちに「手がとどく者」になりました。

おちゃらけた性格が功を奏する場面が多々あります。

第一巻より

東丸 幸子(ひがしまる さちこ)

丸川町に住む、喫茶店のバイトをしているフリーターの女の子です。

南丸がふと休憩に立ち寄った時に出会いました。

超能力を持つ家系で「窓をひらいた者」です。

「窓」の外にずっと怯えていましたが、ノーテンキな性格の

南丸のおかげで前向きに考えるようになります。

第一巻より

江見 小百合(えみ さゆり)

丸神ゼミの講師で、丸神教授のことを想っています。

丸神教授が行方不明になり、消息を追って丸川町に出向き

超能力のルーツ等を知ることになります。

第一巻より

東丸 高志(ひがしまる たかし)

幸子の兄で、「手がとどく者」です。横暴な性格で、超能力を有効利用しようと

企み、丸川町から追い出された形になります。

第三巻より

丸神 頼之(まるかみ よりゆき)

「手がとどく者」であり「窓をひらいた者」で、丸神山の神官であったはずが

町を出ていきます。「窓」をひらいた者が恐れて暮らし続ける現状を打破するため

全てに決着を付けようとします。

この作品中で、「手がとどく者」の能力が一番高い人物です。

この姿は「手がとどく」能力を使いすぎた結果です。

第四巻より

丸神 正美(まるかみ まさみ)

南丸が通う大学の教授でしたが、「手がとどく者」であり自分自身の

祖先のルーツを調べるうちに「窓」をひらいてしまった為、丸川町に

行きそのまま神官となります。

「窓の外」は最後まで明かされずに物語は終了

「手が届く」能力は何処から誰の手によって生まれたのか、

「窓の外」には何があるのか等、詳しいことは描かれず

物語は終わっています。

最後の方は結構急展開で進んでいった感があるので、

ひょっとしたら打ち切りだったんでしょうか。

個人的にはよく出来たストーリーに思いますし

凄く面白かったんで、もっと続いてほしかったんですけどね。

でわでわ♪