Dr.NOGUCHIは野口英世の生涯を分かりやすく描いたマンガ

野口英世の名前を聞いたことが無い人は居ないと思いますが、どんな功績を上げた人か詳しく

知っている人はどれだけいるでしょうか。自分も子供の頃、子供向けの伝記シリーズで

少し知ってただけで、詳細までは理解していませんでした。

詳しく知ることが出来たのは「DR.NOGUCHI」を読んだおかげです。

サブタイトルが「新解釈の野口英世物語」


出版社:講談社   作者:むつ利之

作者は以前紹介したお気に入りマンガの「名門!第三野球部」のむつ利之氏です。

第三野球部の連載が終わって少ししてすぐに始まった記憶がありますね。

馴染みのある絵と日本人なら誰もが知っているであろう歴史上の偉人ということで

単行本も買うようになりました。

この作品は作者が第一話の冒頭で事実をもとに新解釈したものと語っています。

伝記ものは歴史上の偉人ということで、悪く描かれることが少ないんですが、

この作品についても、ある程度は考慮されているようです。

野口英世は貧乏で酒癖の悪い父を持つ環境で育ったこともあり、自分自身も

酒癖が悪く、また金遣いも粗かったと言われています。

ただ日本を代表する偉人なので、その部分を正確に描かれているケースは

殆ど無いようです。

この作品でも、挫折したときに度々酒に溺れる場面がありますが、

実際よりは大人しく描かれているようです。

登場人物

第一巻より

野口 清作/野口 英世(のぐち せいさく/のぐち ひでよ)

当然ですが、まずは主人公です。同じ作者ということで、

「名門!第三野球部」と顔がそっくりですw

最初の方は結構汚い顔していて、後半で綺麗に描かれるようになるところまでw

この野口英世の成長を軸に物語は進んでいきます。

第一巻より

野口 シカ(のぐち しか)

野口英世の母ですね。英世が子供の頃、目を離した隙に庵に手を突っ込んで火傷をして

左手が開かなくなったことにずっと責任を感じて、英世のために死ぬ気で働き

貧乏ながらも英世を進学させます。父がどうしようもない人だったので

この母のおかげで野口英世は立派な学者になれたと言えます。

第一巻より

小林 栄(こばやし さかえ)

英世の恩師ともいえる人で、高等小学校(今の中学・高校)での担任です。

小学校を卒業して高等小学校に進学するのはお金持ち位なのですが、

この小林先生が英世の素質を見抜き、進学を勧めます。

第二巻より

渡部 鼎(わたなべ かなえ)

英世の左手の手術をした会陽医院の医者で、高等小学校卒業後この先生の元で

医者を目指します。

第二巻より

凡田 大造(ぼんだ だいぞう)

会陽医院で同じく医者を目指す先輩です。英世は左手が原因でいじめによく合うんですが、

会陽医院でも同様意地悪な先輩がいます。無理難題をつけられますが

凡田の助言によって無事回避します。医者になれたのも彼の助けも十分あると思います。

第三巻より

山内 ヨネ子(やまうち よねこ)

英世の初恋の人です。フランス語の勉強のため、通っていた協会で一目惚れします。

勉強熱心だった英世ですが、勉強がおぼつかない程恋煩いしてしまいます。

ですが、彼女は会津藩出身の超がつくお嬢様で叶わぬ恋で終わることに。

第四巻より

血脇 守之助(ちわき もりのすけ)

渡部医師の紹介で、英世が東京に出て前期試験に合格後から面倒を見てくれた医師です。

英世が幾度となく上手く行かず挫折して酒浸りになってはお金を借りに来たりと

金遣いの荒い英世を助けます。

第五巻より

シモン・フレキスナー

アメリカ医学界の権威で、来日時に英世が通訳を担当したことがきっかけで顔見知りとなり

アメリカに渡った時にお世話になります。

第五巻より

坂田(さかた)

帝大(今の東大)卒業の医師です。当時、帝大卒業者は無試験で医師に

なれたのですが、帝大に行くのは金持ちだけでした。

貧乏で且つ実力で医師になった英世とはことごとく衝突します。

英世が医者となった後も色んな所で再会しては衝突の繰り返しで

最後まで英世とぶつかっていたのは作品通じて彼だけですね。

彼も一部の優秀な人間しか入れない北里伝染病研究所に入ったり

ドイツに留学したりエリート街道を進むのですが、彼の何処に

そんな才能があったのでしょうか?w

第五巻より

北里 柴三郎(きたさと しばさぶろう)

細菌学者で基礎医学界の草分け的存在で、英世が開業医としての夢を絶たれた時に

基礎医学の道に進みたいと思い、北里伝染病研究所に入りました。

英世の才能を見抜き研究所に招いてくれたおかげで、学者としての道を

歩むことが出来るようになりました。

第九巻より

サイワス・ワイア・ミッチェル

フレキスナー教授が働くペンシルバニア大学の評議員上席でフィラデルフィア医学会の

会頭という、とにかく凄い偉い人ですw

英世はペンシルバニア大学でも一部の教授に嫌がらせを受けますが、その教授より

偉いミッチェル教授に気に入られたおかげで無事に地位を確保します。

このパターンがちょっと多い気がしますねw

第九巻より

ウィリアム・ロックフェラー

この作品を読む前は石油事業の大富豪くらいの知識で名前しか知らなかったんですが、

「世界で初めてパイプラインを敷いた、一代で巨万の富を築き上げた伝説の人物」

との事です。ロックフェラー研究所を設立して、フレキスナー教授を初代所長として

任命し、英世も研究員として行くことに。

第十二巻より

メリー・ダージス

英世の妻。英世が飲み屋で潰れたのを介抱したのがきっかけで知り合いに。

酒場で働いていた事もあって、世界に名をはせる英世に対して

引け目を感じて去ろうとしましたが英世はそんなこと気にせず受け入れました。

英世のことを「ヒディー」で呼んでいます。これは事実なのでしょうかw

野口英世の凄さがよく分かる作品

小学生の頃に伝記ものを読んで何となくでしか知りませんでした。

黄熱病の研究をしていた位の知識しかなく、実際には別の梅毒研究の方が

評価されていて、黄熱病については当時の顕微鏡の技術的な限界もあって

全く結果は出せてなかったんですね。

外国人の妻が居たのもこの作品を読むまで知りませんでした。

「ヒディー」と呼ばれていたのは事実かどうか分かりませんがw

時代が野口英世の才能についていけてなかったって感じですかね。

wikipedia見ると金遣いが荒かったとか悪いことも記載されていますが

読んでみると、今の時代生きてくれていたらと思う位

凄い人だったんだなーと感じさせられる作品です。

でわでわ♪