先日、漫画家の黒岩よしひろ氏が心筋梗塞のため亡くなられたニュースがありました。
保有しているマンガもあり好きな漫画家でしたので非常に残念です。
そんな黒岩よしひろ先生の一番のヒット作品が「鬼神童子ZENKI」です。
未熟な女子高生呪術師と朱き鬼神の戦いを描いた物語
出版社:集英社 漫画:黒岩よしひろ
※ リンクはクリーク・アンド・リバー社の再販版
かつてこの世に鬼神あり・・・
その昔、日本最大の呪術者である役小角は鬼神を使役してこの世の邪悪と闘ったという
言い伝えがあります。その朱き鬼神の名は前鬼。前鬼は守り神として役咒法堂にある石碑に
眠っていました。
時は過ぎて現在、役小角の子孫で役咒法堂の今の当主である役小明は祖母から
”禍い現れ輪具輝く時秘伝の咒を唱えよ さすれば前鬼甦らん”という言い伝えを
護法輪具と共に授かり、いつかは前鬼を蘇らせたいと思いながら厄除け・占い等の仕事を
日々こなす毎日を過ごしていました。
ある日、役小角が封印したとされる秘宝を狙った悪党が、結界を破り「望みの叶う実」を
手に入れますが、それは人間の欲望を吸って成長する憑依の実であり、悪党の欲望を吸って
憑依獣となって小明に襲いかかります。絶体絶命のピンチに護法輪具が光り、小明は
前鬼を呼び出す為の咒を唱えます。その時、前鬼が千年の眠りから目覚めます。
前鬼は圧倒的な力で山ごと憑依獣をふっとばした後、人間の味方のはずの前鬼は
自分を呼び出した小明を殺せば自由になれると見て今度は小明に襲いかかります。
が、その瞬間前鬼は小さな子どもの姿に変わってしまいます。
前鬼の性格から役小角が前鬼の体に細工をしていたようで小明は助かります。
こうして、女子高生呪術師の小明と、最強の鬼でありながら普段は小さな子ども姿の前鬼、
二人の戦いが始まります。
登場人物
左:鬼神姿
右:童子姿
1巻より
前鬼
主人公にして、この世の最強の鬼神です。最大の武器である金剛角は山をも吹き飛ばし
憑依獣を憑依の実に戻す事ができます。その憑依の実が一番の大好物で、憑依の実を
求めて封印を解こうとしてトラブルを起こすことも度々。
役小角が前鬼の性格を見越してなのか、化け物を倒した後は童子姿になるように
細工をしておきます。そのおかげで暴走されずに小明は助かります。童子姿の
時は小明より弱くいじめられる姿が度々w
その封印も前鬼が心の底から怒った時は解かれて鬼神姿になってしまいますが。
1巻より
小明
役小角の子孫で、役咒法堂の今の当主を勤めています。高校に通うシーンがあるので
高校生ですね。呪術師とはしてはまだまだ未熟で、前鬼に対して失礼な態度をとったり
洗濯機で洗ったりするなどお調子者です。それ故、前鬼を鬼神に戻す為の秘咒を
受け取っても最初は読むことが出来ませんでした。前鬼と一緒に邪悪と戦いながら
呪術師として大きく成長していきます。
1巻より
鴉紋
式鬼使いの邪術師です。前鬼は邪術師の天敵とされており、復活したと聞いて
倒しに現れます。式鬼使いとしては小角以上と言われているそうですが
数々の式鬼を使っても前鬼に叶わず、最後は自ら戦いを挑みます。
2巻より
役 寿海
小明の祖母の弟にあたり、保護者的な存在です。それなりの年齢ながら
相手の力を利用した体術を使って敵を倒したりします。
3巻より
神酒 壮馬
高野山の退魔師です。全国に散らばっている憑依の実を集めて退魔師の総本山に
封印するために実を追っていた所、前鬼と小明に出会います。
憑依の実を食べようとする前鬼を実を食う魔物と勘違いして
前鬼を倒そうとします。
4巻より
後鬼
前鬼と同じく役小角が使役していたもう一人の鬼神です。前鬼が邪悪との戦いで
肉体が滅びてしまい魂だけとなってしまい、光の鬼神として蘇らせる為に
後鬼の力が必要となって、後鬼の子孫を見つけ出し後鬼も現代に蘇らせます。
攻めの前鬼とは対照的に後鬼は守りの力に優れています。
大きく4つの章で構成
ZENKIは大きく4つの章に分かれています。最初は憑依の実を集めて魔神獣を
目覚めさせようとする犬神編、かつて鬼神軍団のリーダーとの戦いのヴァサラ編、
憑依の実を吸収して力に変える憑依神編、そして最後の異形衆編となっています。
犬神編が一番長く、話の構成も良く出来ているのでこれがメインではあります。
そこで終わらなかったのはそれなりに人気が出て、連載を続けるように
集英社からの圧があったんでしょうか。
打ち切り短編が多い黒岩作品の中では異例の12巻まで続いています。
呪術とか退魔とか陰陽とか、和風サスペンスが多い黒岩作品は非常に自分好みです。
次は短編で終わりましたがお気に入りの作品をご紹介したいと思います。
でわでわ♪